2009年11月アーカイブ

DTP化によって印刷はとても身近なものになりました。
DTP以前は版下を作り色指定が必要だったものが、画面で見たままを印刷できるようになりました。DTP化以前は印刷物の完成した姿は熟練したデザイナーでなければ正確な予測などできなかったのが、今ではセンスさえ良ければ誰でも正確な姿を確認できるようになっています。

印刷には、フルカラー印刷が可能な4色印刷、1色だけ(一般的には黒)を使うモノクロ印刷以外に、特色を使った印刷があり、名刺や会社の封筒などは特色を使う場合が多く見られます。

私が以前勤めていた会社では、毎年の年賀状を特色2色で印刷して制作していたのですが、Macを使ったデータづくりには毎年苦労していました。
何に苦労するかと言うとイラストレーターが基本的に4色刷をシミュレーションするソフトというところです。
確かにイラストレーターでも特色を指定することは可能ですが、特色同士の重なり合う部分の再現はお手上げ状態です。(乗算を使えばと思われるかもしれませんが乗算は透明インキのような状態になり、不透明に近い印刷インキの完成状態とは異なるものになります。)
自分で制作し決済する場合はそれでも問題は無いのですが、DTPが分からない上司に決済してもらう必要がある場合は完成予想図をわざわざ作成してOKをもらい、発注用にまったく異なる印刷データを制作する必要が生じ、2倍の(実際は仕上がりを予想しながらの制作なので2倍以上)作業になっていました。

さて、正式な特色印刷データの作り方というのがあるのかどうかは分かりませんが、印刷屋さんのオペレーターに教えてもらったデータの作り方というのは、各特色をCMYKの版に置き換えてデータを作るという方法です。
例えば、DIC57(黄色系)をY版で指定し、DIC102(ペールブルー)をC版で指定する方法です。
(この場合に気をつける必要があるのはあくまでも完成状態を予想して濃度を設定すること、ついついいつもの癖で画面で見た状態で濃度設定してしまいがちですが、印刷色がペールブルーでも100%で使う所はC100%で指定すること。)
私の場合は少しでも画面が完成状態に近くなるように黄色〜オレンジ系はY版、青〜緑系はC版にというようにしていしていますが、実際にはどの版にどの色を割り当ててもあまり違いはありません。

このように、特色印刷は今やかなり特殊な印刷になりつつあり、ネット通販系の印刷屋には4色刷又はモノクロのみを主として扱い、特色はかなり割高になるような料金形体をとる所も増えています。逆に言えばわざわざ特色を使う必要は少なくなっているということなのですが、特色は1色のインキでできているので、4色刷では表現できない色を表現できるという特長があることを忘れてはいけません。
例えば、C版とY版が重なる「緑系」やM版とY版が重なる「オレンジ系」の鮮やかな色は4色刷では表現することができません。

DIC以外にスタンダードな色見本としてパントンがあります。

パントン色見本にはたくさんの種類があり、一見すると非常に分かりにくいのですが、
大別するとまず使用分野毎に

グラフィック・印刷業界用と、
ファッション関係用の「ファッション&ホーム」と、
工業デザイン用の「プラスチック」の3つに分けられます。

グラフィック・印刷業界用のメイン色見本には、
色の確認や選択に適した扇状に開いて使う形体の「フォーミュラーガイド」と
色指定に適したミシン目でちぎって使うバインダー形式の「ソリッドチップス」があります。どちらも基本となる特色1114色を収録し、コート紙・マットコート紙・上質紙の3タイプの紙に印刷された3つの種類があります。

さらに、基本の1114色の他に淡い色を集めた「パステルフォーミュラーガイド」と「パステルチップス
メタリックカラー204色を収録した「メタリックフォーミュラーガイド」と「メタリックチップス
パントンソリッドカラー1113色を10%きざきみで10〜80%の網点表現など34種のカラーエフェクトで表現した「チント
ソリッドカラーの近似色を4色刷で表現した「カラーブリッジ
4色刷で表現された3000色を収録した「フォーカラープロセス・ガイドセット
ソリッドカラーをCMYKOGの6色刷で表現した「ソリッドインヘキサクロームガイド
があります。

パントン色見本の場合は、色指定する相手もパントン色見本を持っている場合は、色の選択がしやすい「フォーミュラーガイド」を持っていれば良いと思いますが、相手が持っていない場合は、ちぎって書類に添付できる「ソリッドチップス」が必要だと思います。
いずれにしても、海外で生産する場合が増えている今、パントンでの色指定を望む会社は増えているようですが、国内では依然としてDIC色見本が主流のようです。
前回に続き、主な画像形式の違いです。

主に印刷の配置画像に使われる画像形式。
EPS 拡張子は.eps
ベクトルデータとビットマップデータの両方を含むことができるフォーマット。イラストレーター・フォトショップなど多くのDTPソフトで扱うことができる。
高解像度用と低解像度用の2つのデータを内部に持ち、画面表示を軽くできる。

PSD 拡張子は.psd
アドビフォトショップの標準保存形式。フォトショップのレイヤー情報などをそのまま保存できる。以前は配置画像がeps以外の形式を配置しないのが基本だった。

TIFF 拡張子は.tif
1986年にMicrosoft社及びAldus社(アドビシステムズに合併)によって開発された画像フォーマット。アプリケーションソフトに依存することがあまり無いフォーマット。
現在では汎用の画像データフォーマットとして広く普及し、商用のデジタルカメラの保存形式として用いられることも多い。

その他にも
BMP(Windows環境で標準的に使用される画像形式 )  
PICT(Mac OSで標準的に使用される画像形式 )
があるが、DTPにおいて配置画像として使われることは少ない。
以前書いた「色合わせ」では、一般の方との色の確認方法について考えてみましたが、もっとベーシックに印刷・デザインの分野での色合わせのスタンダードな方法を書いておきます。

印刷・デザインの分野での色合わせのスタンダードな方法は色見本で指定する方法で、国内では「DICカラーガイド」での指定がもっともポピュラーです。
日本で印刷に関わる仕事をしている人で「DICカラーガイド」を知らない人はまずいないだろうというほど、「DICカラーガイド」は色指定の必須アイテムです。
「DICカラーガイド」というのは、「DIC株式会社」が販売している色見本帳で、上質紙に「特色」で印刷された数百枚の色チップを束ね、色指定時にミシン目で切り取って添付できるようになっている。

普通 雑誌などカラー印刷にはC(青)・M(赤)・Y(黄)・K(黒)の4色を組み合わせて色を再現するのに対して、「特色」はインクを混ぜ合わせて1色で色を再現します。
ですから、本来4色印刷にDICで色指定などは無意味なのですが、あまり印刷に詳しくない人はDICで指定してくることがあるようです。
「DICカラーガイド」にはいくつかの種類がありもっともベーシックなものは「DICカラーガイドpart1」で、ほとんどの印刷屋さんが所有しているので、色番号を指定するだけで通じると思います。ただし生産ロットによっては若干の色の違いがあるらしいので正確にしたい場合は何版かを指示するか色チップを添付する必要があります。
他にも「DICカラーガイドpart2」「日本の伝統色」「フランスの伝統色」「中国の伝統色」がありますが、こちらは場合によっては所有していない印刷屋さんもあるようですので、その場合は必ずチップを切り取って添付した方が良いと思います。
最新の「DICカラーガイドpart1第19版」には652色が収録されており、普通の人にはこれだけ色数があれば無い色は無いと思うようですが、実際に選んでみるとなかなかイメージ通りの色は無く、他のDICが必要になってきます。(「DICカラーガイドpart2」-637色「日本の伝統色」-300色「フランスの伝統色」-321色「中国の伝統色」-320色が収録されているのですがそれでもイメージ通りの色はなかなか見つからないものです。)


cm1.gif

 

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