デザイン、特にグラフィックデザインはパソコンによって大きく変化したと思う。
私が学生だった頃は、デザイン学校に通う人に絵を描けない人はほとんどいなかった。
当然うまい下手はある訳ですが、公然と「絵が描けない」と言える人はいなかった。
自分の手で絵を描く以外に、表現する方法がないのですからあたりまえです。
どんなにすばらしいセンスの持ち主も、絵が描けなければ、又は絵を描くのが好きでなければデザイナーにはなれない、それはほぼ定説であったように思います。
そのいわば基本条件をパソコンは簡単に払拭してしまいました。
「烏口」「ロットリング」「ガラス棒」「溝引き」当時、デザイナーであれば使えて当然の道具は、今や姿形を見たことが無いレガシーアイテムになってしまいました。
そして、一人一人のセンスこそがデザイナーの武器になる時代がやって来ました。
今では、手先が器用なだけではデザイナーになれない時代になりました。
これはデザイン業界にとって良かったのでしょうか?
私は、結局昔も今も大して変わらないのではないかと思っています。
自分の手を動かしてスケッチを描くことも、人と違うセンスの良さも、デザイナーにとっては両方とも必要不可欠なのだと思います。
どんなにセンスが良くても、究極的にはそれを表現する力が必要でそれはパソコンの操作に長けていることとは別だと思います。
残念なことに、パソコンがデザインの道具になった頃から、それの分からないデザイナーが本当に増えたと思います。
これは昔を懐かしんだり、パソコン否定をしている訳ではありません。
私は無類のMacオタクですし、今更手描きの時代になんて戻れるはずもありませんから。